【美味しさの秘密 その3】
最高の物を作って 「美味しい!」と喜んでいただける笑顔を思い浮かべて。
自分がドイツのコンテストに参加したのは、ソーセージという商品を販売してお客様からお金を頂く以上、
どうしても本場の客観的な評価を頂く必要があると考えたからです。
そうでなければ単に自己満足や趣味で終わってしまう可能性が高いから…。
金メダルも取れないような腕前じゃ申し訳ない、むしろお金を頂く資格すらない思ってます。
自分は食肉製品の製造に携わる時に「農家が作ってる物だからこんなもんだろう」と絶対に思われたくなかった。
専業でソーセージや肉屋をやってる人達にも負けない商品を作ること、そして美味しい!と言ってもらうこと。
このことが人間のために命を失っていった家畜に敬意を示す最高の方法だと考えるからです。
肉用牛の飼育農家の息子として幼少の頃から牛と戯れて育ってきた自分は、
生き物の命を頂くことの大切さというものを物心がついた時から教え込まれてきました。
小学生の頃、毎日餌をあげて可愛がってた牛が、ある日突然いなくなる。
父に「○○はどこに行ったの?」(当時、名前を付けていた)と問いただすと、
「○○はみんなのお役に立つためにここを出ていったんだよ」と…
後にその牛の行く末を知った時は、大泣きしていました。
私がこのお店を開店するにあたって、
「富山じゃ理解してくれる人が少ないでしょ」「商売として成り立たないんじゃない?」など、 いろいろなご意見を頂きましたが、
ボクは「大きく儲からなくても良い、こういったことを理解してくれるお客様だけを相手に仕事をしたい」と答えています。